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※「不思議な私語とうさぎの寝言」はこちら
(「授業中の私語」に関する研究などをまとめたものです。)




研 究 室

研究課題:
 対人的相互作用と逸脱行動および適応・学習との関連
  -授業中の私語や「教員間いじめ」に注目して-

 教室などでの「人と人とのやり取り」に着目しながら,教育実践に関する問題について,心理学に関する理論などを基にしつつ実証的に考察しています。「実践的」な視点と
「理論的」な視点を結びつけることはなかなか難しい部分があるのですが,もしも両者をつなげられれば,片方の視点のみでは気づきにくいものが(実践についても理論についても)見えてくるときもあるのかな…と思いながら研究している(したいと考えている)今日この頃です。

 より詳細には,教育の場で生じる様々な事柄について,社会心理学・教育心理学的な観点から検討しています。特に,学校の教室など多くの人々が集まる場所で発生する「規範からの逸脱」を,対人的な相互作用に着目しつつ研究しています。

 例えば,「『してはいけない』と多くの人が考えていることであっても,なぜ,人がたくさん集まると,これをしてしまうのか?」といった問題について考察しています。具体的には,「『授業中の私語』は,多くの人が『してはいけない』と考えている
(e.g. 卜部・佐々木, 1999)はずなのに,なぜ,教室では少なからぬ人が私語をするのだろうか?」といったことを調べています(出口, 2018; Deguchi, 2019)
 この際,個々人が持つ「『規範からの逸脱』に対する考え方」(規範意識や行動基準)と,個人間で行われる相互作用(お互いに影響を与え合うこと)に注目しながら研究しています
(Deguchi, 2014, 2019)。また,規範からの逸脱が適応に与える影響にも着目しています(出口, 2018; 出口・吉田, 2005)。さらに,これらの研究で得られた知見を基にして,「『規範からの逸脱』について考える授業案」を作成し,その効果についても検証しています(出口, 2019, 2022)

 理論的には,限界質量モデル(e.g. Schelling, 2006; 高木, 2004)やゲーム理論(e.g. Axelrod, 1997),ダイナミック社会的インパクト理論(Latané, Nowak, & Liu, 1994)等を援用しています。方法論的には,質問紙調査やWEB調査,アクションリサーチ,コンピュータ・シミュレーションなどを用いています。

 最近は,「教員間いじめ」に関する調査研究
(e.g. 出口, 2020)も行っています。この際,(先ほどの「私語」とは逆に)「『しなくてはいけない』と多くの人が考えていることであっても,なぜ,人がたくさん集まると,これをしなくなってしまうのか?」(「いじめ」を目撃しても適切な対応を取れない(いわゆる「傍観者」(e.g. 森田, 1985; 元・坂西, 2016)になってしまう)ことがあるのは,なぜか?)といった問題(e.g. Latané & Darley, 1970)にも着目しています(出口, 2023)。このように,自分が所属する集団(ないし「社会」など)で発生した「規範からの逸脱」の抑制が難しくなってしまう過程に関する研究を進めています。

 この他,主に児童生徒を対象とした研究として,心理学を援用した授業案(ひとの心や対人関係について考える授業案
(出口・木下・吉田, 2010)など)の作成・効果検証や,グループ学習に関する研究(出口, 2013)にも関心を持っています。また,カンボジアに4年制の教員養成大学を設立するプロジェクト(独立行政法人国際協力機構(JICA)「教員養成大学設立のための基盤構築プロジェクト」(2017年~2022年))に教育心理学関係科目の担当者として協力し,現地での研修等を通してシラバスや指導案・教材などを作成するといった活動も行ってきました。これに関連して,学校教育に対する教員や保護者の態度を扱った国際比較調査も実施しています(Deguchi, 2023; 出口・石井, 2021)
 



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(私の研究課題とは少々異なったテーマで研究をする人が多いです。)

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