コムパルソリイ・サイエンスNo.2




「ブラックライトにご用心」  
 ブラックライトって知っていますか?このごろカラオケなどでも設置されていることがあるようです。デパートのディスプレイ、パブなどでも使われているところがあります。ブラックライトを使うと、身近な蛍光物質が光って違った雰囲気を味わうことが出来ます。封筒の住所のバ−コ−ドが見えたり、お札の印が蛍光を発したりします。しかし、ブラックライトは紫外線を放射しているので、ご用心。



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 ブラックライトは、長波長紫外線(UV-A)を放射しているのです。もともとブラックライトは、宝石の鑑定や夜行性昆虫の捕獲に用いられていました。昆虫は、青色の光やUV-Aを好むのです。このUV-Aは、人体にどのような作用を及ぼすかというと、サンタンと呼ばれる日焼けを起こします。日焼けサロンに使われているのは、UV-Aを放射するランプだと思われます。ですから、ブラックライトにあまり近づくと日焼けを起こして肌が黒くなってきます。もちろん、ランプの出力とランプまでの距離が問題ですが。



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 UV-Aは、紫外線の中でも波長が長いので、皮膚の奥まで浸透してきます。ヒトの皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織となっています。UV-Cは、表皮まで、UV-Bは、表皮と真皮、UV-Aは、表皮と真皮、皮下組織まで到達します。そして、メラニンの生成を促し、皮膚を黒ずませるのです。ブラックライトのもう一つの危険性は、目に対する影響です。皮膚に対することと同様で、UV-Cは、目の表面の角膜まで、UV-Bは、角膜を通り、奥のレンズまで、UV-Aは、角膜、レンズを通りぬけ、硝子体まで到達します。UV-Aは、UV-BやUV-Cに比べてエネルギ−が弱いので、それほど問題にならないとされています。しかし、気をつけるべきだと思います。なにしろ、UV-Cは角膜に炎症を起こし、UV-Bはレンズの白濁(白内障)を起こすのですから。





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