Compulsory Science No.70




「読書と理科2」アメリカの教科書から
 


     アメリカのある教科書には、"Science in Literature"というものがあり、読書と理科を結びつけようとしています。日本の場合、読書指導というと、国語を思い浮かべますが、理科においても読書につなげようとしているのです。単元を学習したあとにそれに関連する本を読むことはとても有意義だと思います。

例えば、「固体」「液体」「気体」「固体における熱の伝導」「液体、気体における熱の対流」の学習をしたあとに、「熱気球レース」の物語を途中まで紹介しています。そのあと、次のような質問をしています。
1. この物語を読み返して、ここに出てくる「固体」「液体」「気体」は、どんなものがあるか、あげてみましょう。
2. 主人公のカルロッタは、彼女の熱気球を「幸運な星」と名づけました。もし、あなたが熱気球を持つことができたら、どんな名前をつけますか。
3. あなたが熱気球に乗ったとしましょう。あなたが見ることができるものを描いてみましょう。
その次に、本の紹介をしています。
 「熱気球レース」著者エレーナ・コール
  あなたが、この熱気球レースで誰が勝つか知りたいなら、図書館に行って本を借りましょう。
 「初飛行」著者デビット・マクファル
  テデイベアは、初めての飛行でたくさんの困難に出会います。テデイベアが規則を守らないとき、どんなことが起こるか見てみましょう。

 また、「電磁石」を学習したあとに、雷が電気現象であることを凧を使って証明した「フランクリンの伝記」を紹介しています。そのあとでは、次のような質問をしています。
1.フランクリンは、多くのことにたくさんのアイデアを持っていました。どのアイデアがあなたには印象的でしたか。
2.この話から、フランクリンは、単なる科学者だと思いますか。
3.彼の実験は、多くの人を説得することができましたか。
 そして、同様に本の紹介をしています。
 「すごいアイデアの人、ベン・フランクリン」著者ジーン・フリッツ
 「トーマス・アルバ・エジソン」著者クリストファー・ランプトン
 「実験、パズル、ゲーム、電気の研究」著者サンドラ・マークル

 日本では、大日本図書(株)が教科書に関連した図書を紹介しています。思考力を育てるためには、どんなきっかけからでも本に親しむことが大切だと思います。

「まぐまぐ(電子書店)」http://www.mag2.comに掲載
読者数 1500





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