Compulsory Science No.63




「野外の食べ物 The food in the filed」
 


 In the past days, Japanese people have eaten many kinds of foods in field to be alive. I have eaten several plants in my childhood. Perhaps you have the memory of it. The book introduces many animals and plants to be eaten.

 私は、子供の時代に幾つかの植物を食べた記憶があります。サルビアの蜜、チガヤなどです。高校時代に生物クラブで、水棲昆虫のヘビトンボを食べました。大学院時代にスミレ、サルナシが食べられること、マタタビ酒、マタタビ茶の作り方などを知りました。タヌキも食べました。しかし、ここで紹介する本「こんなものを食べてきた」には、数多くの動植物が登場します。戦前の話です。これは、今のように生産力がなかったこと、物流がうまくいかなかったことを反映していますが、自然の豊かさ、人間のたくましさを教えてくれます。

 紹介されているのは、カミキリムシの幼虫、カワゲラやトビケラの幼虫、ヤマツツジの花、イロハカエデの葉、ウサギ、スイバ、カイコの蛹、クワの実、メダカ、アシナガバチの幼虫、ナツハゼの実、サワガニ、イタドリ、ウコギ、アカツメクサの蜜、クサボケの実、カヤの実、クロカワタケ、イグチ、アケビ、ドジョウ、ノビル、スノキ、オトシブミの卵、カキの皮、チガヤの穂、フタバハギ、アキグミ、サルナシ です。

 多くの昆虫を食べているのが分かります。タンパク源として貴重だったようです。また、ウサギは、牛や豚の入手が難しかった時代には、大切な肉だったようです。私も小学校時代には、学校の行事でウサギ狩をした記憶があります。朝早くから山に行き、全員で列を組んでウサギを追いたてるのです。それを保護者の方が猟銃で撃ち、あとで、ウサギ汁(豚汁みたいなもの)にしてみんなで食べるというものです。しかし、残念ながら捕ったウサギそのものを見た記憶はありません。60歳以上の方の話を聞くと、ウサギは多くの家で飼われていて、お客さんが来たときにご馳走として出されたということです。この本では、食べるのが楽しみだったと書かれていますが、私が聞いた方のお話では悲しかったということです。

 興味深いのは、砂糖菓子を食べた経験が書かれていることです。甘すぎて頭が痛くなったとのことです。この時代には、人工的なものに拒否反応をおこす体があったということでしょうか。今の時代に、これだけのものを食べたらお腹をこわしそうな気もします。

 

※「こんなものを食べてきた」本多勝一著/朝日新聞社/1999

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