Compulsory Science No.62




「人間体内の元素2 Elements in human body 2」
 


 Human body contains many kinds of small amount elements. There are a lot of elements that we do not understand the function of and we need. Several elements are used as the medicine.

 
元   素
元素記号
実験動物
人体
鉄(Iron)
Fe
フッ素(Fluorine)
F
-
ケイ素(Silicon)
Si
-
亜鉛(Zinc)
Zn
ストロンチウム(Strontium)
Sr
-
鉛(Lead)
Pb
-
マンガン(Manganese)
Mn
銅(Copper)
Cu
スズ(Tin)
Sn
-
セレン(Selenium)
Se
ヨウ素(Iodine)
I
モリブデン(Molybdenum)
Mo
ニッケル(Nickel)
Ni
-
ホウ素(Boron)
Bo
-
クロム(Cromium)
Cr
ヒ素(Arsenic)
As
コバルト(Cobalt)
Co
バナジウム(Vanadium)
V
-

 前号に続き、元素の話題です。今回は、微量元素、超微量元素です。この表にあげられているのは、実験動物で必要と認められたものと人体に必要と認められたものをあげています。高校の生物の授業でも赤血球(red blood cell)のヘモグロビン(hemoglobin)に鉄が含まれていることは学習しますが、これ以外にもこれだけたくさんの元素が人体中に含まれているのです。

 ヨウ素の欠乏が甲状腺機能の低下をもたらすこともよく知られています。チェルノブイリの事故でヨウ素のことが広く報道されました。しかし、摂取量が多すぎると中毒症状を示し、死に至ることもあります。

 また、バナジウムは、まだ実験動物の段階ですが、将来インシュリン(insulin)にかわって、糖尿病の治療薬になることが期待されています。同様にクロムが欠乏すると糖尿病になることが知られています。しかし、六価クロムは毒性があります。

 これからも人体に必要な元素がさらに見つかることでしょう。

 この話題のきっかけをつくってくれたのは、北村麻也子さんです。ありがとうございます。



 

※「元素111の新知識」桜井弘著/講談社/1997

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