Compulsory Science No.53




「皿洗いWash the dishes」
 


 It is important to wash the dishes in our daily life. In order to be safe in our life, what should I do in the case of wash the dishes?

 私達は、毎日食事をします。そして、誰かがお皿を洗っています。毎日のことで関心がないようにも思いますが、立ち止まって、皿洗いについて考えてみます。
 皿洗いについては、国によって習慣が違うようです。

オーストラリア・・・流しに湯をため、その中で皿を洗った後、すすがずに、タオルで拭く。これで最低限の水で皿洗いをすることができる。

スウェーデン・・・流しにためた湯の中に洗剤をいれ、皿をつけて洗う。それからもう1つの流しに湯だけいれて、その中で皿をすすぐ。

イギリス・・・流しに洗い桶を置き、ぬるま湯とほんの少しの洗剤を入れ、その中で皿を洗ったら、乾かすだけ。すすぎをしない。

日本・・・湯を流しながら洗剤を使って洗う。

 食事の後のお皿の汚れは、水溶性の汚れ(塩、醤油、砂糖、果汁など)と油性の汚れ、固体汚れ(食べかす)に分けられるでしょう。スポンジと水を使えば、水溶性の汚れと固体汚れはほとんど落とすことが出来ます。残りは、油性の汚れです。これを石鹸や合成洗剤を使って落とすことになります。この仕組みは、次のように説明されています。

○石鹸が水に溶けることにより、表面張力が著しく小さくなる。

○石鹸分子が汚れに吸着し、小さな粒子となって水と混ざりやすくなる。(乳化作用)

○汚れが電気的引力で付着している場合、石鹸分子が汚れが持つ電気を中和し、離れやすくする。

○石鹸分子が皿の表面に吸着し、汚れの再汚染を防ぐ。

 石鹸は、肌にやさしいのですが、石鹸は、「酸性の液に触れると不溶性の脂肪酸ができる」「硬水(Ca+やMg+を含む水)に溶けない」という欠点があります。そこで、合成洗剤を使うのです。

 最近は、石鹸や合成洗剤を使わなくても汚れが落ちるという繊維が販売されています。これは、多孔性で吸水率抜群の糸が使われており、摩擦効果と相乗して、油汚れやその他の汚れをキレイに落とすとされています。私も使っています。確かに汚れは落ちるようです。ただ、その汚れが繊維の中に蓄積されるように見えて、皿洗いに繰り返し使うには、ちょっと勇気がいります。皿洗いに使った後、鍋の底を洗うというようにすればいいのですが、そうすると、洗剤に比べてかなり高くなります。合成洗剤を使うととても手が荒れます。これを防ぐには、このような繊維を使うかゴム手袋を使用しないといけません。繊維がもっと安くなるのを期待したいと思います。



 

※「化学U」藤原鎮男ら/三省堂 1994年

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