Compulsory Science No.51




「Chemistry in daily life」
 


 In order to be convenient daily life, chemistry concept is applied to various situations in our life. It is important to know their examples for us. In this article, a few such as chemistry concepts are introduced.

  身の回りは、化学に満ちています。その利用を知ったらどれだけ楽しいでしょう。ここに紹介するのは、その幾つかの例に過ぎません。

「海藻にはヒ素がたくさん」
 海藻には、ヒ素がたくさん含まれています。しかし、人体に害はありません。ヒ素が安全な形で化合しているからです。従来、毒物として使われているのは、亜ヒ酸(arsenious asid H3AsO3)というヒ素化合物です。海藻に含まれているのは、ヒ素糖、ジメチルアルシン酸(Dimethylarsine acid)というヒ素化合物です。このような例は多いですね。食塩NaClは、安全ですが、Naは水に触れると危険ですし、Cl2塩素ガスは有名な毒ガスです。

「オゾンO3は危険」
 たまに、オゾンいっぱいの空気を吸いましょうというような宣伝を見かけますが、オゾンは危険で呼吸には使えません。オゾンO3は不安定な分子で酸素O2になりがちです。そのとき離れた酸素原子が酸化剤となり危険なのです。過酸化水素(オキシドール H2O2)は不安定で、安定なH2Oになろうとするのと同じようなことです。世界のいろんなところで森が枯れているのは、酸性雨が原因だと言われていましたが、1993年頃から、オゾンが原因だと言われるようになりました。一方、上空20-40kmの成層圏にあるオゾン層は有害な紫外線から地上の生物を守ってくれる有益な役目を果たしています。

「ペットボトル入りのビールがない理由」
 今、ペットボトルの花盛りの感があります。水筒代わりにペットボトルを持ち歩いている人をよく見かけます。軽いし、ふたができるのでとても便利です。コーラのペットボトルがあるので、ビールのペットボトルがあってもいいように思いますが、見かけません。この理由は、ペットボトルの成分、ペット(PET PolyEthylenTerephthalate)にあります。ペットは、高分子化合物です。これは、拡大してみると隙間があります。その間を酸素O2や二酸化炭素CO2が通っています。この性質はコンタクトレンズには適しています。しかし、ビールには適していません。ビールの成分のCO2が抜けてしまうからです。O2が入ってきてビールの酸化を進めます。コーラの場合は、ビールほどこれらの反応を気にしないからできるのです。また、ビールは光にも反応しやすいので、茶色のペットボトルにする必要があります。これは、リサイクルの際に問題となります。だから、できないのです。



 

※「化学意表を突かれる身近な疑問」日本化学会編/講談社 2001年

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