Compulsory Science No.49




「炭疽菌(Bacillus anthracis)」
 


 Bacillus anthracis is famous for firstly finding bacteria by Robert Koch. There are Bacillus subtilis that is useful for human in Genus Bacillus. Antibiotic substance is usually used in the remedy.

 狂牛病(Mad cow diseas, BSE:Bovine Spongiform Encepahlaopathy)の次は、炭疽菌(Bacillus anthracis)が新聞を賑わしています。炭疽菌は、ロバートコッホ(Robert Koch)が1877年に純粋培養に成功し、それを動物に接種した細菌として有名です。草食哺乳類、ウシ、ヒツジに伝染する致死性の病原菌としても知られています。これがヒトにも感染するのです。ヒトに感染すると、内臓特に脾臓が腫れるそうです。血管内での著しい増殖が特徴だそうです。脾臓は血液を破壊する臓器として知られています。

 炭疽菌は、好気性胞子形成細菌で、培養も簡単だそうです。好気性ということは、空気を好むということです。好気性の反対は嫌気性であり、酵母菌が知られています。酵母菌は嫌気状態で発酵をします。酵母菌と言いますが、酵母は細菌と違い、真核生物で、核を持っています。細菌は、核がない原核生物です。

 炭疽菌は、Bacillus(バチルス)属の細菌です。同じバチルス属の細菌としては、枯草菌、納豆菌が知られています。納豆菌は、血栓を溶かすとか、がん細胞を攻撃するなどと言われ、人間に有益な細菌ですが、同じ仲間の炭疽菌は、怖いのです。しかも、炭疽菌は、典型的な土壌細菌で、干ばつ、長雨、洪水などの異常気象のあとに、増殖する特徴があるそうです。アジア、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカと至るところで見られる細菌です。

 感染経路としては、皮膚が95%を占めるそうです。治療法としては、ワクチンと抗生物質が有効なようです。しかし、ヒト用のワクチンはわが国では販売されていません。アメリカ、イギリスで死菌ワクチン、中国、ロシアで生菌ワクチンが販売されているそうです。感染初期には、風邪のような症状を呈するのみで特徴的な症状はないそうです。早い段階に治療しないとほとんど助からないとのことです。

 



 

※ 「生物学辞典」八杉龍一ら/岩波書店 1996年
読者数 1500





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