コムパルソリイ・サイエンスNo.42




「電磁波(Electromagnetic wave)」
 


 Electromagnetic wave is used in our daily life. It has the property of electricity and magnetism, and it has energy.

 電磁波は、最近問題として取り上げられることが多いようです。電磁波は、電場と磁場が交互に振動する波で、電場と磁場は直角の位置関係にあります。電磁波は、真空中を伝わる波です。だから、宇宙空間での交信も可能なのです。

 携帯電話の電磁波がよく問題となりますね。これは、800MHz(メガヘルツ)の振動数の電磁波です。電子レンジが2540 MHzの電磁波を出しています。メガヘルツとは、106Hz(10の6乗ヘルツ)のことで、Hz(ヘルツ)とは、振動数で、1秒間に何回振動するかを表したものです。私達が見ることのできる電磁波、可視光は、約1015Hzの振動数です。

 さて、振動するというイメージからエネルギーのイメージも湧くと思います。実際、振動数が多いほど、エネルギーが高くなります。
 E = hν 
 Eはエネルギー、 hは定数、ν(ニュー)は振動数です。携帯電話の振動数は、電子レンジに近いですよね。だから、危ないように思えます。確かに、携帯電話も電子レンジも同じマイクロ波に分類されています。電磁レンジは、英語でMicrowave ovenと言います。でも、電子レンジと携帯電話では出力が違います。もう一つ問題となるのは、距離です。同じ電磁波である可視光を放出している蛍光灯の場合ですと、距離の2乗に反比例して照度が下がります。例えば、距離65cmで600ルクス、130cmで150ルクス、195cmで70ルクスです。これと同じように考えると、携帯電話は出力は弱いですが、直接体に近づけますので、怖い感じがします。イヤホンマイクをつけて、距離を離せば、極端に電磁波の影響が少なくなります。

 同様に電子レンジの前で調理の様子を見るのは、危ないと思えますよね。電子レンジによる白内障の報告もあります。電子レンジの前でショウジョウバエを飼育すると、突然変異の発生率が上昇するというような報告もあります。もちろん、これらは研究途上のことで、危険だと断定されたわけではありません。

 電気製品があれば、電磁波を出していると思ってよいでしょう。テレビのリモコンには赤外線が使われています。蛍光灯からは紫外線が少し出ています。いずれも電磁波です。こんなことを意識して生活していきましょう。





 
※「電磁波」ナツメ社、二間瀬敏史、麻生修著1999年

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