コムパルソリイ・サイエンスNo.40




「硬水と軟水(Hard water and Soft water)」
 


 Hard water is defined that it contains a lot of Calciumuoxide(CaO) and Magnesiumoxide(MgO). It is said that hard water dose not suit for cleaning and it makes Japanese diarrhea.

 硬水と軟水ということを聞いたことがあるとおもいます。硬水は、ヨーロッパ系の水で軟水は、日本の水、硬水はなかなか泡立ちにくいし、石鹸かすが出やすいといったようなことを知っていましたが、どうも体にも影響がありそうです。

 3月から4月にかけて、カンボジアの首都プノンペンで仕事をしてきました。生水はもちろん危険だというので、水はひたすらエビアンを中心に飲んできましたが、どうも胃腸の調子がよくありませんでした。これは、私だけでなく、同行した日本人のメンバーも大なり小なり同じような状況だったようです。胃が張った感じがするのです。原因は、硬水だからではないかということでした。日本に帰るとすぐにお腹の張りはなくなりました。

 硬水とは、「カルシウムイオン、マグネシウムイオンを比較的多量に溶かしている水であり、水中のこれらのイオンは、主として硫酸塩と炭酸水素塩とみなせる。」(理化学辞典)と説明されています。硬度の示し方は、国によって違うようです。

 硬水を飲むと胃腸がおかしくなる理由については、「マグネシウムイオンはしばしば硫酸イオンと一緒に溶けています。マグネシウムイオンと硫酸イオンとからできている硫酸マグネシウムは下剤ですから、そんな水を飲むことはうすい下剤を飲むことになるのです。しかし、「下剤」の作用をもつほどのマグネシウムイオンをふくんだ水は飲料水にほとんどないでしょう。」(左巻建男)という説明もあります。

 日本で胃腸の調子がおかしくなれば、おかゆを食べたりするので、プノンペンでもおかゆを食べたのですが、このおかゆに使われている水も硬水だったからでしょうか、それでもどうもすっきりしなくなったのです。煮沸すれば炭酸塩は沈殿して軟水となるが、硫酸塩は軟化しにくいそうです。

 最近、便秘解消に硬水を飲もうと提唱している人もいるそうです。案外効くのかもしれません。
 ホテルでは、毎日洗濯をしましたが、泡立ちの悪さに関しては、それほど感じませんでした。硬水は肉料理にも向いているそうですが、味付けが全く異なるので、こちらは何とも言えません。



 
※「理化学辞典」久保亮五ら/岩波書店/1987年

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