コムパルソリイ・サイエンスNo.35




「コンデンサー(Condenser)」
 


 コンデンサー(Condenser)って知っていますか。身の回りの電気製品にはよく使われているのですが、表面に出てこないので、見たことがないかもしれませんね。

 Condenseとは、凝縮するという意味です。コンデンスミルクというのがありますね。あれは、ミルク(牛乳)を凝縮したものです。この他には、光を集める、文章を要約するという意味もあります。顕微鏡の集光レンズもコンデンサー(Condenser)と呼ばれています。

 コンデンサーは、電気をためておくものです。電気製品をむやみに開けないで下さいと言われるのは、電源コードを抜いても、コンデンサーの中に電気がたまっているのが一つの理由です。電源コードを抜けば、もう電気が流れてこないと思うのは、危険なことなのです。

 コンデンサーの基本的な構造は、2枚の金属板を平行に向かい合わせたものです。これに、電池をつなぐと充電されるのです。蓄電池と機能は似ているようですが、構造は、コンデンサーの方が簡単です。例えば、蓄電池の代表である鉛蓄電池は、正極に酸化鉛(PbO2)、負極に鉛(Pb)、電解液に希硫酸(H2SO4)を用いてつくります。

 コンデンサーを手作りで作ることも出来ます。アルミホイル2枚の間にクッキングラップを入れて導線をつなげば出来上がりです。電池につないで充電してみましょう。

 コンデンサーは、使い捨てカメラにも使われています。

 面白いものにコンデンサーラジオというものもあります。電池不要の手回しラジオと紹介されています。http://village.infoweb.ne.jp/~hayashit/ 30秒レバーを回せば、1時間30分聞くことが出来るそうです。コンデンサーは、蓄電池と異なり、劣化せず、半永久的で環境にもやさしいと解説されています。災害時に活躍しそうですね。

 コンデンサーは、電気をためるだけでなく、直流を交流にしたり、ラジオのチューナー(可変容量)に使われたりしています。





 
※「物理TB」西川哲治ら/大日本図書 1998年

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