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次第に寒くなって、部屋を閉切ることが多くなると、カビの発生が気になってきますね。
冬になると、部屋に結露ができるようになります。しかも、暖房により温度が適切ですし、ビニールクロスや塗料を栄養にしてカビが発生するようになるのです。
近年、カビは、喘息、目の炎症、鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患などさまざまな病気の原因だとされています。
カビを防ぐには、カビが好む条件を知ることが大切だと思います。実験室でカビを培養する場合は、寒天入りの培地を作り、それを25℃の恒温器に置きます。すると、すくすくと育ちます。培地は、簡単に作る場合は、オートミールを水に溶かして、ガーゼで濾したものをつくり、それに寒天を溶かします。
先日、粘菌(Slime molds)というカビの仲間を培養しましたが、これは、濾紙に吸着させて、冷蔵庫で約5年間保存していたものです。それを濾紙ごと培地に置いて、培養をはじめたら、見事に目を覚まして増殖してくれました。生命力って凄いですね。粘菌は、広がった状態で休眠していましたが、普通のカビは、胞子の状態で休眠しています。種子植物で言うと、種子に相当します。この状態で、ひたすら、自分が生きるのに適した条件になるのを待っているのです。
カビの胞子は、空気中にたくさん漂っています。室内でも秒速0.8m/sぐらいの風は吹くことがあります。人間が動くだけで、それぐらいの空気の動きが生じるのです。その風に吹かれて、カビの胞子が漂っているのです。その証拠には、用意した培地のシャーレの蓋を数分間あけておくだけで、2日もすれば、たくさんの種類のカビが生えてきます。
では、カビを防ぐには、どうしたよいでしょう。まず、栄養がない状態を作ることができればいいのです。しかし、壁紙でさえ、栄養にするのですから、難しいでしょうね。せめて、水気がなければ、生えてくることはありません。眠ったままの状態でいてくれます。
それでは、気がすまない人は、強力な洗剤を使うしかないでしょうね。塩素も効果的だと思います。しかし、いずれも人間に害がないとは、言い切れません。紫外線も効果的です。殺菌灯が病院で使われているのは、この理由からです。紫外線は、カビのDNAを直接アタックしますから、胞子と言えどもひとたまりもないと思います。しかし、これも、洗剤と同様にヒトにも害があります。だから、ヒトがいないときだけ点灯するような仕組みにすれば大丈夫です。事実、実験室ではそのようにして、クリーンな環境を保っています。
自分にあった方法を選んで下さい。
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