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No.10で塩素ガスの話をしましたが、その続きです。
身の回りには、塩素化合物で一杯です。
No.16で紹介したように「布製のおしぼり」は、それほどきれいだとは言えませんが、この消毒には、次亜塩素酸ナトリウムNaClOが使われています。試しに、おしぼりで、色つきのTシャツなどを拭いてみて下さい。その漂白作用を確認することができます。理想的な消毒は、日光消毒、加圧器を用いた消毒ですが、手間がかかるので、次亜塩素酸ナトリウムNaClOが多めに使用されているのではないでしょうか。
水道に塩素が含まれていることはご存知ですよね。浄水場で、ろ過したり、微生物による浄化も行われていますが、最終的に塩素が添加されているようです。
もうシーズンも終わりましたが、プールにも使われています。基準では、塩素剤の種類は、塩素ガス・次亜塩素酸ナトリウム液・次亜塩素酸カルシウム、塩素化イソシアヌル酸のいずれかであることとなっています。学校のプールなどで、通称塩素玉と呼ばれる錠剤のような消毒剤が沈んでいるのを見たことがありませんか。プールに頻繁に行くと、髪が脱色されるので、ここでも塩素の作用を確認することが出来ます。
近年新聞紙上などを賑わしているのが塩化ビニルCH2CHClです。燃えにくいのですが、燃えるとダイオキシンを発生すると言われています。塩化水素HClも発生します。用途としては、ホース、農業用フィルム、給・排水パイプ、ラップや真空パック、ビニールの手袋やレインコートなどの日用品、クレジットカードや文房具、壁紙、電気コード、床材、合成革靴、おもちゃ、病院の使い捨て医療器具、などです。
特に、問題になっているのが、おもちゃです。おもちゃには、塩化ビニルCH2CHClの他、フタル酸エステル類が含まれています。これは、揮発性が強く、内分泌系破壊を起こすのではないかと言われています。おもちゃは、子供の口に入る可能性が大きいだけに、注意を要します。塩化ビニルは、これだけたくさんの用途があり、使われている量も多いだけに簡単に代替物質を探すことはできないと思われます。企業もリサイクルなどの方策を考え始めているようです。
もちろん、食塩NaClも塩素化合物の一つです。これは、人間が必要とする塩素化合物の最たるものかもしれません。それにしても、塩素ガスは毒ガスで人を殺す能力があるのに、こんなにも利用されているとは不思議ですね。
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