コムパルソリイ・サイエンスNo.8




「お出かけ前に」  
 ゴールデンウイークの真っ最中です。出かけることが多いと思うのですが、ちょっとお出かけ前に気をつけて欲しいことがあります。7号で紹介したように、太陽に含まれる紫外線は、消毒に有効です。ということは、われわれ生物である人間も例外なく影響を受けるのです。今、紫外線情報を流しているホームページや新聞もありますので、充分注意されていることとは思いますが、再確認します。




続き  

 まず、月別の紫外線量ですが、一番高いのが7月、一番低いのが1月というデータがあります。7月は、1月の3倍以上の紫外線量です。一日のうちでは、正午付近が一番高く、日の出すぐと日の入り近くが低くなっています。これは、10倍以上も開きがあります。

 これらのことは、想像がつくと思いますが、意外に気づかないのが、地面からの反射です。雪面から80%、水面20%、白ペンキ壁20%、砂面10%、アスファルト道路7%、芝面1%です。スキーに行くときは、帽子、サングラス、日焼け止めクリームが必需品であるわけがこれでお分かりでしょう。

 さらに、高さによっても紫外線量は異なります。高度が1000m上がるごとに紫外線量が10〜20%増加すると言われています。緯度によっても紫外線量は異なります。北緯約10度のパナマでは、北緯約60度のオスロに比べて、4倍の紫外線量があります。

 この紫外線を防ぐには、ツバつきの帽子を被ることが有効です。ツバつきの帽子を被ることで顔面上の紫外線を約4割カットすることができます。さらに、サングラスをかけると、約9割カットすることができます。帽子のツバは7cm以上ないと効果が半減します。

 ガラスが紫外線を通さないことが知られていますが、メガネメーカーのデータによると、ガラスのみでは、波長300nm以下をカット、ガラスに紫外線カットをコーティングしたものは波長350nm以下をカット、プラスチックだと400nm以下をカットします。つまり、プラスチック製のレンズだと紫外線をほとんど透過させず、防いでくれることが分かります。今は、プラスチック製のレンズが増えてきているのではないでしょうか。もちろん、日傘、長袖もとても有効です。

 また、子供の日焼けは、大人になってからの皮膚の老化の原因であると言われています。子供の皮膚は紫外線に対して感受性が高い、障害を受けやすいのです。18歳までに一生の紫外線被爆量の半分を浴びるとされています。それが、後の皮膚老化、しわ、しみ、たるみを生むのです。子供に努めて帽子を被せるようにしましょう。子供時代の過ごし方が成人後の肌の状態を決めることになるのです。

 

 


 
※「オゾン層破壊」環境庁地球環境部/中央法規1995
※「太陽紫外線と健康」菅原努・野津敬一著/裳華房1998年




トップページへ戻る