知の食卓156号 2008.1.5
理科教科書ウオッチング「昆虫」 Science Textbook Watching “Insect” |
小学校では、このなかの、昆虫の体は、頭・胸・腹から構成されていることを教えます。簡単なようですが、通常の見方では間違えることがあります。そこで、教科書では見方を工夫しています。 左の写真は、大日本図書「たのしい理科3年」33ページです。昆虫の体が示されています。 提示の工夫に気がつくでしょうか。いずれもお腹側から図示されています。背中から見ると、頭・胸・腹の区別を間違うことがあります。生物学辞典の定義にあるように胸には3対の脚があります。脚がどこについているかを見るには背中からではなくお腹から見ないとよく分かりません。 | |
大学生に、カブトムシなどの甲虫類(昆虫の中の1グループ)を提示して、「頭・胸・腹の部分を指しなさい」と言うと、胸と腹の区別を8割以上の学生が間違えます。この原因は、通常昆虫を見るときは背中から見るからです。下の図は、大日本図書「たのしい理科3年」35ページのカブトムシの図です。やはり、お腹から見た図が描かれています。背中から見て胸だと思った部分は、胸の上の部分前胸と呼ばれる部分です。前胸からは前肢が中胸からは中肢が後胸からは後肢が出ています。中胸と後胸が背中から見るとお腹と間違えやすいのです。
また、お腹から見ると、脚の構造がよく見えます。脚は基部、腿節(たいせつ)、脛節(けいせつ)、?節(ふせつ)、爪(つめ)の5つの部分から構成されています。このことも確認することができます。 |