Biology Education in Cambodia


知の食卓65号 2001.4.7
      

 Cambodian Biology Textbook contains most of area, except evolution from grade 10 to 12. But, the relationship among them is insufficient and there are little experiments for students.




 JICA(Japan International Cooperation Agency)の事業の一環として、カンボジアの生物教科書の調査に行ってきました。期間は3月7日から4月3日まででした。

 カンボジアでは、初めて自国語による教科書を作成しています。現在は、Grade10(高校1年生)とGrade11(高校2年生)の教科書までですが、次回、Grade12(高校3年生)の教科書を作成する予定です。





 私は、Grade10とGrade11の教科書を見せてもらい、それに対する改善点を述べてきました。教科書の目次は英語に訳してもらっていたのですが、本文は自国語のみでした。通訳の人がいらっしゃったので、必要と思われる箇所のみ英語に訳してもらいました。その際に感じたのは、専門用語の翻訳でした。目次の英訳も通訳の方の英訳も専門用語になると一致しないのです。ということは、専門用語をどう扱うかという方針が決まっていないということです。日本の明治時代のように完全に翻訳することを目指して、日本にない言葉は造語をしてその意味することを表そうとするのか、外来語としてそのまま取り入れるのかということです。これは、辞書の整備の問題です。しかし、カンボジアでは著作権が確立されていないため、年間数冊しか出版されないとのことです。これは、コピー機、コンピューターの発達によるものです。これは、すぐには解決できない問題です。カンボジアの印象は現代と過去が同居しているというものですが、その困った側面が出版にはあるようです。明治時代の日本であれば、印刷は限られた人の技術であったので、著作権は意識しなくても守られており、多くの必要とされる本が発行されたのでしょう。

 生物の教科書には、生徒実験がほとんど掲載されていませんでした。見学した師範大学の附属中学校、附属高等学校の生物、物理の授業でも黒板と教科書で授業が行われていました。電気も水道も充分でないというのが理由です。それでも植物の観察や動物の解剖はできるはずです。私は、師範大学の教官達に魚、カエル、ニワトリの解剖実習を行い、教科書の記述との比較を行いました。教科書は、実物を見ることを前提としていないので、実物と対比することが難しいレイアウトになっています。また、幾つか誤りや欠けているところがありましたので、実物を元にして具体的に指摘しました。実験器具は、海外のいろいろな国から提供を受けているようですが、数は足りませんし、規格がいろいろと違うため、使うのは難しいようです。

 1クラスは約60人で、2部制(1つの教師を午前と午後で違うクラスが使用)で授業が行われていました。教師の給料が極端に安いため(月25ドル、4人家族が生活するには200ドル必要)、授業の準備も十分にできないようです。

 私が見学した授業では、子供達は、整然として授業を受けていました。教師の発問にも挙手をしてこたえていました。休み時間は、暑いせいでしょうか、ビニル袋に水を入れてぶつけあったりして遊んでいました。






※知の食卓は、「まぐまぐ(電子書店)」http://www.mag2.comに掲載しています。

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