現代トピックと教科書7 「遺伝子組換え」


知の食卓41号 1999.7.1
      

   今、遺伝子組換え食品は、話題となりつつあります。朝日新聞記事デ−タベ−スで 調べてみると、イデンシクミカエを含んでいる記事は、1985年以降1999年6月29日ま でで、685件ありました。



小学5年 メダカとヒトの発生、実や種のできかた
      ↓
中学2分野 生物のふえ方と遺伝
      ↓
高校生物U 形質発現の調節

 遺伝子組換えの記述は、生物Uの教科書の説明の中に出てきます。
「必要な部分の遺伝子を入れ換えることを遺伝子組換えという。たとえば、ある細胞 がもつDNAのうちから、特定のタンパク質をつくる塩基配列をもつDNAを、特殊な酵素 を使って切りとる。それを大腸菌をもつプラスミド(自己増殖能をもつ小形でリング 状のDNA)の中に組み込む。このようにして遺伝子が組換えられた大腸菌を培養する と、大腸菌は元来つくることができなかったタンパク質をつくれるようになる。現 在、遺伝子組換え操作によって、ウイルスの増殖を抑える働きのあるインタ−フェロ ンという物質や、ヒトの成長ホルモンなどを合成することができるようになった。」

 このように大腸菌を用いて、人類に有益な物質をつくることが可能になったので す。これは、大腸菌は操作がしやすく、安全な動物であることを意味しています。大 腸菌は、原核生物なので、核膜がなく遺伝子を扱いやすいことと、遺伝子が小さいた め、遺伝子の本体であるDNAの構造を解明しやすいことから実験動物として用いられ てきたのです。また、これまでに大きな事故も報告されていません。

 遺伝に関しては、中学校の教科書でも述べられています。
「わたしたちひとりひとりの顔つきやすがたなどは、親に似ていたり、祖父母に似て いたりする。また、同じ種類の生物の特徴は、親から子、子から孫へと伝わってい く。生物の特徴が親から子へ伝わることを遺伝という。」
 内容としては、メンデル遺伝が扱われています。遺伝とは、両親の形質のいずれか が子どもに伝わっていくものです。この確率は単純には、50%です。そして、2本の 染色体が対になっているため、形質を発現する遺伝子と発現しない遺伝子があるので す。

 小学校では、遺伝は一切扱いません。しかし、小学校5年生で動物の受精、植物の 受粉を扱いますので、親から子へ受け継がれるものがあることはおぼろげながら、理 解するものと推察されます。次の世代をつくるには、雄と雌が必要であることを学ぶ のです。当然、メダカの子はメダカになりますし、ヘチマは種をつくり、それを植え るとヘチマになるわけです。このように、小学校では、遺伝の概念は直接提示しませ んが、飼育栽培しながら、ナスのつるにウリはならないことを体験して学習するので す。




※知の食卓は、「まぐまぐ(電子書店)」http://www.mag2.comに掲載しています。

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