生物教育学会第64回全国大会


知の食卓23号 1998.2.1
       

 今回は、少し内容を変えまして、生物教育学会第64回全国大会(於 千葉大学)の様子をお伝えします。本研究室からの発表と私が興味を持った発表について紹介します。



 「子供達の紫外線に対する認識」
山田剛秀・森本弘一(奈良教育大学)
 小学5年生、中学2年生、高校2年生、大学2年生、教師を対象に紫外線に対する認識調査をアンケ−トにより行った。
 紫外線に関連のある用語は、学校段階が上がるにつれて、認識の割合が上がっているが、内容を見ると、小学生では「紫外線に当たると体が溶ける」など誤った認識が見られた。「日光消毒」や「日焼け」は、十分に認識しているとは言えなかった。これらの知識は、メディアから得たものが多い。よって、学校で紫外線について正しく教える必要があると思われる。教師の調査でも同様な回答が得られた。

 「植物に及ぼす紫外線の影響 その2」
  中道知子・森本弘一(奈良教育大学)
 アサガオ、ナスについては、UV-B30000J/u、UV-C2000J/uの照射で、葉が枯れたり、変色したりといった影響が見られた。アオウキクサでは、UV-B10000J/u、UV-C1000J/u以上で、葉状体数が抑制される様子が見られた。ハツカダイコンでは、UV-B5000J/u、UV-C500J/u以上の照射で、茎の伸張が抑制された。以上の実験は、照射時間が授業時間内で行えるし、設備も簡単であるため、紫外線が植物に及ぼす影響を示す実験として高等学校で示すのに有効ではないかと思われる。

「中学校理科における海藻の教材化」
金井塚恭裕・片山舒康(東京学芸大学)
 紅藻イカノアシを用いて、光合成の様子を観察させるものである。BTB溶液を加えた海水に呼気(二酸化炭素)を吹き込み、酸性化させ、そこにイカノアシを入れ、明所に置くと、50分以内で緑色から青色に変色し、二酸化炭素が消費されることが示された。紅藻も光合成を行っていることを示すことが出来る。イカノアシは、海藻の中でも光合成能力が高いので、教材として適している。

「リタ−フォ−ルの教材化」
長尾忠泰(神奈川県立氷取沢高校)
 環境教育の中で森林教材の重要性が増している。リタ−フォ−ルは森林の動態を知る一つの方法である。タブノキ、スダジイなどからなる環境保全林で、一定の面積内における落ち葉の乾燥重量を毎月1年間測定した。その結果、常緑樹も落葉していることを示すことが出来、4月、5月の落葉が多いことを示すことが出来た。生徒にとっては、予想とは異なる結果となり、森林についての認識を深めることが出来た。
 





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